保証

 さんざん相談したあげく処方を僕が決めた段階で「何か保証みたいなものがありますか?」と尋ねられたが、そんなものあるはずがない。恐らく30分近く喋ったと思うが、それは僕にとってはかなり異常な長さなのだが、そのあげくの言葉だから、僕の胸を深く・・・・実はなんとも思わなかった。電話での話し中、とても可愛い、誠意の感じられる子だったから、まして、悪意に満ちた商品を買わされ、又数多のドクターショッピングで、医療自体に不信感を一杯持っている女性だから、ここで一発逆転をし、漢方薬は勿論、医療に対しても不信感を拭ってもらおうと大それた考えも持っていたのだ。  その関東の薬局が、がす漏れと言うことを本当に知っていたのかどうか、はなはだ疑問だ。どうでもいい栄養剤や考えられない漢方薬を何種類も買わせて、僕の漢方薬の4倍近い値段を取っている。プロが聞けば効くはずのない的はずれもいいところの処方だから、当然効いていない。もっと言うと、ある臓器の、それもメチャクチャ的はずれなのだが、病気みたいな脅し文句も駆使している。  そのあげく今度は僕みたいな田舎の薬局に接触してきたのだから、彼女の不安も頂点だったろう。即座に保証なんか出来るわけがないと答えたが、心の中では「この整った甘いマスクとほとばしる知性、溢れる品性が保証」と答えたかったが、30分も漁師言葉で喋っていたから手遅れだ。  ところがどう言った心境か分からないが、2週間僕の漢方薬を服用してくれて、昨日追加の注文をくれた。お腹の張りは勿論、がす漏れも6割くらい改善していて、電車に乗ってもパニくらなくなったらしい。後4割改善すれば、完治だ。フラダンスか阿波踊りかリンボーダンスか日舞か知らないが、舞台で踊ることが好きみたいだから是非夢を叶えて欲しいし、かなり近い将来に叶えられるような気がしている。  立て板に水、尽きぬ専門用語、重病をにおわせる手口、どう見ても薬局のあるべき姿ではない。看板が違っているように思える。薬局や医療機関を選ぶなら、横板に油、すぐ尽きる専門用語、体調不良は生きるための体の防衛反応と理解すべきと勧めるところを選ぶべし。