常套句

 確かあっかんべー48とか言うグループだと思うが、メンバーの二人がノコギリで襲われたニュースをどのチャンネルも流していた。おかげで少し詳しくなった。学芸会みたいなステージの後に握手をするらしいのだ。そしてその握手をする権利をCDの中に挟み込まれた券を集めることで手に入れるらしい。自ずと沢山集めたら長い時間手を握っておれるから、競ってCDを買い集めるだろう。  誰が考えたのか知らないが、上手い手を考えたものだ。青少年達の、それももっとも現代風の青少年達の、いや結構年の大きい人も多いみたいだったが、性癖を巧に利用した商売だ。誰が儲けているのか知らないが、テレビで取材を受けていた人みたいに2000万円もつぎ込ませるのだから、なかなかの才能だ。 その才能をもっと困っている人達のために使ったらと思うし、片や買う方もそのお金をもっと困っている人のために使ったらと思う。そんなことを思うのは、どちらも持っていない人間のきれい事でしかないのだろうか。ただ、世界が急にきな臭くなった今、もっと真摯に世の中を眺めないと、虎視眈々と自分たちに都合よいように世の中を変えようとしている奴らの思うつぼに入ってしまう。どこの国でも何故か同じような人間が指導者面をしている。この国の人も、北の将軍様も、ロシアの眼光鋭い人も、中国のやたら体格のよい人も似ているように思うのは僕だけだろうか。 一見、平和の象徴のようなあっかんべー48事件も、上手く利用されないように気をつけないといけない。「だから何とかだ」は力を持っている奴らの常套句だから。