氷川きよし

 先日は美味しいパンを有難うございました。作り手の顔がもろ至近距離で見られたので興味深く、勿論美味しく頂きました。みんなで分けたので、僕は恐らく米パン?粘着性が高く、頂上に程良くクリームが塗られているもの、を頂きました。僕はあのねちゃねちゃの感触が好きなのです。当たりでした。  さて、CDの件ですが、奇遇とはこんなことを言うのでしょうね。二つ奇遇が重なっていますから偶遇と言うのかもしれませんが。  一つ目は、貴女と僕の話を聞いていて、あのCDを娘がパン屋さんの店舗の中でも流すといいのにと思っていたそうです。二つ目は、あれは輸入物で、注文していたのになかなか届かなかったそうです。そこで娘は他の会社に注文したそうです。結局同じものが二つ届けられたことになります。(厳密に言うと日本版は最後の曲にサービスとして山下達郎のクリスマスイブが入っているかどうかの差はありますが)。貴女のFAXを見て娘が、差し上げてとすぐに言いました。そんな経緯を知らなかったので驚きました。娘は、あの時貴女に差し上げようかなと迷っていたらしいのです。娘は迷い子のCDの里親が出来て喜んでいます。今日発送しますから、心地よい時間を過ごしてください。

 心の中に入っていくことは出来ないが、薬局の中で待っていてくれるときの心を少しだけ垣間見ることが出来た。  薬局で流れていたジャズを気に入ってもらえて、CDの名前を教えてとFAXが入ってきた。それに出した返事が上記の文なのだが、それに対して再びお礼のFAXが入ってきた。それによると彼女は薬局で流れているBGMとお茶でほっこりした気分になって頂けていたみたいだ。「いつまでもいたいなあ」と思っていてくれたみたいで、娘たちのこの数年の努力が認められたんだと、親として有り難かった。僕が中心でやっていた頃はフォークソングがかかり、いや最近はレげエなどもかかり、合理的なものの配置で、全く遊びの空間がなかった。掃除も行き届かなくて、全く男所帯そのものだった。娘たちが中心になってからは、ほとんど僕の色がなくなり、音楽も飲み物もイスもテーブルも床までも変わった。今では薬より店舗を褒められることの方が多い。  「以前のジブリジャズも好きでしたが、クリスマスジャズは正直うるうるきてて・・・」僕はクリスマスはさすがに分かるが、ジブリジャズは分からなかった。娘に尋ねてみるとそうだと言った。薬局という場所は楽しい所ではないから、何とかして楽しい場所にしたいと思って若い2人も頑張っているのだろうが、その効果を客観的な評価として聞かせてもらえたのは二人の励みになるだろう。  若い2人が朝くる前、夕方帰ってからが僕の嘗ての空間になる。その時だけ遠慮無く好きなCDを今までは聴いていたのだが、明日からは1日中クリスマスジャズだ。もう氷川きよしは聴かない。