三宅由佳莉

 その分野のことは何も知らないのに、思えば勝手に決めていた。半年くらい前にふとしたことを切っ掛けに知ったTime to Say Goodbyeは日本人には歌えないと。 半年以上前、ニュースを見ているときに偶然流れてきた曲が素晴らしいから調べたら、Time to Say Goodbyeと言う曲だった。そして Sarah BrightmanがAndrea Bocelliとデュエットをしているのを知って早速聴いてみた。ほとんど衝撃と言っていいほどの感銘を受けた。曲のすばらしさと歌う人の歌唱力に圧倒された。その時の印象で日本人には無理だと決めていたのだ。ところが今日その浅はかな思い込みを完全に否定された。喜ばしいことだが。 これも又、NHKのニュースで偶然見たのだが、自衛隊の歌姫という歌手がインタビューに答えていた。僕は途中からしか見なかったので、どんな内容か分からなかったが、とても姿勢良く答えている姿が印象的で、早速ユーチューブで検索してみた。すると驚いたことに「自衛隊の歌姫」と言うそのものですぐに行き着いた。ああ、場所によっては有名な人なんだと分かった。そしてなんと彼女が無謀にもTime to Say Goodbyeを歌っていた。そしてそれが本家の歌い手に引けをとらないのだ。スリムな体型からは考えられないような声量も一歩も引けをとらないように思えた。感情を込めた本家より凛々しく立ち歌う姿は神々しくさえ見えた。  朝からもう何回も再生して歌声を楽しんでいる。決して華やかな舞台に立つことだけが人生の成功者ではないと教えてくれているような気がした。きっと心まで背筋が伸びている女性なのだろう。