介入

 この体験を、多くの過敏性腸症候群の方に共有していただきたいから公表させて貰う。プライバシーは守られていると思うし、漢方薬というものだけではなく、僕という第三者が、それも過敏性腸症候群の方800人以上をお世話してきた若干のプロが介在することの意味もあると思う。いや、あったと思う。 あるお家でサプリメントを家族3人が飲んだ。そのサプリメントを止めてから2週間がたつのに、3人とも異様な臭いが体からでてくる。過敏性腸症候群にいいからと買い求めたものらしいが裏目に出た・・・ざっとこんな相談だった。その相談を受けて、当然僕はそんなことはあり得ないと答えた。相談者はその答えは納得できなかったみたいだが、僕は自分の考えを否定してまで、相談者にとって都合の良い人間であろうとは思わない。何かを売りつけたい魂胆でもあれば、その場で異様な臭いを肯定し、その解決のために○○がいいですよなんて、悪意の限りを尽くすだろうが、僕はそんな低俗な経済行為を働く必要はない。  結局納得しないままに、ボールを投げ返していたら、2週間後に「あれは新しく買った柔軟剤の臭いでした」と回答があった。余程臭い柔軟剤だったのだろうが答えがハッキリして良かった。過敏性腸症候群、それもがす漏れタイプの人は、何が起こっても原因を引き受けてしまう。ある事象に対してあらゆる可能性を考え、それを出来るだけ科学的に判断する癖を身につければ、いとも簡単に自分を犯人に仕立てることはしないだろうに。 遠く北の町から温暖が売りの瀬戸内の小さな薬局にかかった電話で、家族全員が「引き受ける」のを防ぐことが出来た。  第3者の介入が好結果をもたらした良い例なので公開させて貰った。