邪魔

 日本の汚いところか、日本人の汚いところか、日本の政治家の汚いところか、日本の経営者達の汚いところか。庶民レベルでも同じことをするのだろうか。 鍼の先生が、髭を書いたらヒトラーそっくりな顔になると上手いことを言ったが、よく見てみるとなるほど似ている。ただ僕はその1回見ただけで、後はテレビに一瞬でも出て来ようものならチャンネルをすぐに変えて、避難することにしている。吐き気のするような不快なものからは目を逸らすのが一番だ。 放射能のゴミをモンゴルに捨てようと企んでいるらしい。相対的に金持ちは、相対的に貧乏人にいつの世も強い。自分たちで処理できない危険極まりないものを、他国に運び捨てるというのだから、虫が良すぎる。その時の謝礼に他国は喜ぶのだろうが、他国の民が本当に喜ぶのだろうか。なるほどゴミ捨て場から遠く離れた都会で暮らす金持ちには都合の良い金だろうが、ゴミ捨て場を提供する貧しい人達にはその金は届かない。金が届かないばかりか、高線量の放射線を日常的に浴びることになる。いつの時代にも、どこの国でも見慣れた金持ちばかりが得をする構図だ。  僕ら一庶民がそんな話を聞けば恥ずかしくなり憤るのだが、そんな情報は有権者には届かないようになっている。誰がどこら辺りで邪魔をするのか知らないが、疑う癖がない人には届かない。知らないうちに貧しい国の尊厳を傷つけることに荷担したことになる。多くの過ちを重ねてきたのに学ばないのがこの国の人の特徴だ。  ある若いお母さんに「先生はどうしてそんなことを知っているんですか?」と尋ねられた。若いときから生理的に、強い人達が弱い人達を支配するのが受け入れられなかったから、疑う癖がついたのかなと答えたが、本当は「どうしてあなたはそんなことを知らないんですか?」とこちらが聞きたかった。