フライパン

 「米南カリフォルニア大学および米カリフォルニア癌予防研究所の研究グループは、前立腺癌の研究に参加した2,000人弱の男性のデータを使って検討した。主に(オーブンなどで)焼いた肉を食べていた男性は進行前立腺癌のリスクが低かったが、フライパンで焼いた肉を食べていた男性は比較的リスクが高かった。研究グループは、種類にかかわらずフライパンで調理した赤身肉や鶏肉を中心とする食事が前立腺癌リスクを増大させる可能性があると結論付けている。理由は不明だが、調理の過程でDNAを損傷する発癌物質(複素環アミン)が形成されるためではないかと研究グループは指摘している。この化学物質は、糖およびアミノ酸を長時間高温で加熱することにより形成されるという。」  喜んでいいのか悲しんでいいのか分からない。喜ぶ方は、まずそんなに肉を頻繁に食べられる環境ではなかったこと。とくに大学の5年間など、滅多に肉にはありつけなかった。米に塩をかけて食べるだけという生活が何年もあったから、恐らく僕は人様より圧倒的に肉を食べていない。さすがに牛窓に帰ってからは経済的には肉を食べることが出来るようになったが、瀬戸内の魚のおいしさには勝てずに、これ又肉食に偏るようなことはなかった。 悲しむべきは、フライパンで焼くってのは意外と多いかもしれない。寧ろそれ以外にどんな方法があるのだと言うくらいフライパン派だ。ハンバーグはとくに悪いと記してあったが、それは偶然あまり食べていないが、調理方法としては圧倒的にフライパンのような気がする。  喜ぶべき偶然が優っているか、悲しむべき偶然が優っているか定かではないが、取り敢えず貧乏と質素に軍配を上げたいと思う。日常の些細なことまで「過ぎたるは及ばざるが如し」レベルまで贅沢になっているから、意図的な質素や倹約を駆使しなければならない。逆は簡単だが、まるでないが如しに暮らすのは結構辛いものだ。僕はおかげで学生時代の何もない生活に慣れているから、質素も倹約も何ら苦なくできる。  ところでオーブンってなんなんだろう。我が家にあったのかしら。電子レンジでもなさそうだし・・・