素材

 まるで「ばかもんた」の番組みたいだが、男性が適量のチョコレートを食べると脳卒中リスクが低減する可能性があることが、スウェーデンカロリンスカ研究所ストックホルム)のSusanna Larsson氏らの研究で明らかになった。チョコレートのフラボノイドは以前、心疾患リスクの低減や精神作業の改善と関連付けられ、抗酸化因子や抗凝固因子、抗炎症因子、またはコレステロール低減によって心血管疾患を予防すると考えられていたが、これで脳にも心臓にもいいことになった。  Larsson氏らは49~75歳の男性3万7,103人に、チョコレートの摂取量について尋ねた。10年超の追跡調査期間中に、1,995人が初回脳卒中を発症した。チョコレートの摂取量が最も多い被験者(1週間にチョコレートチップ約56g)の脳卒中リスクはまったく食べなかった被験者より17%低かったそうだ。 この1週間にチョコレート56gと言うのがどうもぴんと来ない。ほとんど食べないに等しい僕から見れば、多いのか少ないのか分からない。この結果が女性に当てはまるかどうかは分かっていないらしいが、恐らく女性の方が圧倒的にチョコレートを食べる機会が多いから、この結果が何らかのムーブメントを起こすとは思えない。大酒を飲む男性やパチンコに狂う男性が脳卒中のリスクが低いなどという研究結果が出れば話は別だが、元々縁遠い素材で研究されても今更虫歯を増やす気にはなれない。  日々読み切れないくらいの知見が入ってくるが、もうほとんど食傷気味で、これ以上健康になってどうするのって言いたくなる。延ばした寿命だけ幸せを感じることが出来るのならまだいいが、延ばした寿命だけ不健康や不幸や孤独と対峙するなら、もうほどほどに戻った方が良いのではないかと思う。15の春と尾崎が唄ったが、その春を待たずに自分で命を絶つ200数十人の少年達の想いに世の不条理を学ばないとしたら、大人の資格などはない。1億ばかもんただ。