ホイットニー・ヒューストン

 ホイットニー・ヒューストンの死因の詳細は明らかにはなっていませんが、処方箋薬による中毒が疑われています。私の隣でニュースを見ていた夫(薬剤師)は一言、”I wonder who her pharmacist was.(彼女の薬剤師は誰だったのだろうね)”。 アメリカで薬剤師をしている女性の文章の中のくだりだ。医薬分業が確立している米国で、患者が薬剤師の介入無しに処方箋薬を受け取ることはないから、処方箋薬による事故が発生したときは、薬剤師が捜査の対象になるそうだ。エルビスプレスリーが死亡したときも、「エルビスが薬物中毒であると知りながら規制薬の調剤を続けたのではないか」との疑いで、薬剤師が告発されたそうだ。2年前のマイケルジャクソンの死亡でも、麻酔薬を調剤した薬剤師は裁判で証言台に立たされたそうだ。  よかった日本の薬剤師で。アメリカでは薬に関して独占的な権利を与えられている代わりに凄い責任も負わされているものだ。権利より責任の方が重そう。パチンコ台の前に5年間座っていて薬剤師になれたような人間にどんな権利を与えるのも恐ろしいだろう。もらう方も恐い。出来れば権利はいらないから責任も少しにして欲しい。しょせん田舎でのんびりと頼ってくれる方々に漢方薬を作っているのがあっている。  ただ、ホイットニー・ヒューストンが薬を取りに来るのだったら僕でもそのくらいの責任は負ってもいい。マイケルジャクソンなら尚更だ。綾瀬はるかならもうどうでもしてくれ。しかし、バラエティー番組に顔を揃える低能な奴らなら、お断りだ。薬剤師だって相手を見る。顔で笑って、心は北極なんてたやすいものだ。薬剤師が人間が出来ているなんてことはあり得ないのだから、素直に相手を見る。  ホイットニーの歌声の美しさや迫力は素人でもわかる。言葉を理解できなくても充分感動は伝わってくる。天性のものかと思っていたが、人知れぬ努力や葛藤の賜だと知った。アメリカでは20%の人が処方箋薬を不適切に使っているらしい。日本でも同じようなものだろう。薬は読み方を変え、飲み方を変えればヤクになる。薬なんぞに命を取られたら浮かばれない。製薬会社を儲けさせてなんになる。