光年

 多くの人が目にしたニュースで、僕レベルの人がいることが分かってほっとした。「39億光年地球から離れたところでブラックホールに恒星が吸い込まれる瞬間を写した映像」が公開されて、それについて解説されていて勿論映像も見ることが出来たが、その光が何でどの様な意味を持つのかは皆目見当がつかなかった。でもそんな難しいことはどうでもいいのだ。僕レベルになるとどうしてそんなに遠くのものが今見ることが出来たのだろうと素朴な疑問を持ってしまったのだ。光だから夜空の向こうで星が爆発してすごい光を放てば見ることが出来るだろうが、なんとなく億光年というのが引っかかる。光年ってかすかな記憶を辿ると、光が1年間に勧める距離だったような・・・・?とすると科学者達が今見た光はひょっとしたら39億年前に爆発して光ったものなのか・・・? などと悶々と考えていたら、同じ質問をパソコン画面でしてくれている人がいて、又それに答えてくれている人がいて「はい39億年前の光です」と簡単明瞭に教えられた。 まあなんともスケールの大きい話だ。わずか1週間前のことすら忘れていて記憶を辿らなければならないのに、僅か数十年前に原爆が落とされたのに、僅か数百年前にコロンブスがアメリカを発見したのに、僅か2000年前にキリストが歩いていたのに、僅か200万年前に人間が生まれたのに、とてもそんな比ではない。凄すぎて気も遠くならない。 試みにインターネットでブラックホールを検索してみたが、書かれていることが難しくて理解不能だった。およそ元の意味から離れて日常会話に軽く登場させる得体の知れないものという理解が席の山だ。  福島の事故もブラックホールのまっただ中だ。情報はエライ奴らが隠し続けて数年後から始まる未曾有の哀しみから目を逸らさせている。被告のいない殺人事件がこの世にあるなんて。