自立

自立できないと嘆く若き貴女に  自立が必要なのは今ではなくて、常になのです。ただこの自立というものが難しくて、なかなか口で言うほど簡単ではないのです。経済的な自立や心の自立や、内容もまちまちですから。例えば僕が今完全に自立しているかと言えばそうでもありません。外から見ればそう見えるかもしれませんが、僕にはどうしても越えることが出来ない漢方の先生がいて、今でも困ったらすぐ頼りにしてしまいます。それこそ自立できていませんよ。先生にはいつまでも元気でいて欲しいと不純な動機でお会いするたびに思っています。僕よりずっとずっと上がいないなんて不安ですから。  ご両親があなたのことを心配していないなんてことはあり得ないと思います。日本人は感情表現が下手ですから、欧米人みたいな見え見えのことは気恥ずかしくて言えませんが、心の中ではいつもあなたのことを思っていると思いますよ。親ってそんなものなのです。子供のことなんか気にせず暮らしてみたいと思いますが、それは本能的に出来ないのです。  世界中が3月11日をもって変わってしまいました。放射能と共に生きていかなければならないとんでもない時代になったのです。余り期待しないことをこれからの人は覚えなければなりません。そんなにいいことはもう起こらない時代になったのです。そんな時代に自立だのなんだのってほとんど意味を持ちませんよ。そんなことを考えるより、如何に生きながらえるかを考えた方が余程身のためですよ。放射能を世界中にまき散らして何ら自責の念に駆られない奴らがのうのうと生きているのですから、貴女みたいに誰も傷つけたことがない人が自分に厳しく生きたりしてはいけません。「他人に厳しく、自分に優しく」そんな生き方も貴女には必要かもしれませんよ。 ヤマト薬局