不義理

 なんと4年前に約束していたことを彼女が果たしているのに僕は果たしていなかったのだ。でもこんな僕の不義理を後悔するよりも数段の嬉しさが込み上げてきた。  「テレビで又会おうね」と彼女に言って分かれたのは4年前の1月。彼女が本当に全日本で活躍していることには全く気がつかなかった。ほとんど全日本の女子バレーの試合はテレビで見ているから彼女の活躍も見ているはずなのだが、コート上の彼女があの時のサコダさんとは気がつかなかった。当時東レ大山加奈や荒木と同じユニフォームを着ていたが、試合の出番はなかったようなことを言っていて、どちらかというとサポートに回っているような立場だったと思う。別れるときに口に出したのは幼さのまだ十分残っている彼女にたいするエールだったのだ。  「今では全日本で活躍してますね!」今日ブログを開けてみると○○というペンネーム?の方から迫田さおりと言うタイトルでこう書かれていた。すぐに迫田さおりという題名で2007年1月7日に書いた僕の文章を読み返して、なんて迂闊だったのだろうと後悔した。そして迫田さおりとパソコン上に打ち込むと彼女の姿や彼女に対するコメントが一杯出てきた。ユーチューブにも彼女のプレーは一杯投稿されていた。ほんの偶然カウンターで隣り合わせて、その人柄の良さそうな感じに声をかけただけだが、こうしてあの時の言葉通り成長してくれたことがとても嬉しかった。僕だって忘れていたような瞬時の出来事だから彼女は勿論記憶の片隅にも残していないだろうが、こんな偶然に心をときめかせて一人の若い女性の成長を見届けることが出来たことが嬉しい。そしてその事を教えて下さった○○さんに感謝。ブログのどこかから直接返信できるのではないかと思うのだが僕には分からないので、この欄を用いて個人的な感謝の意を伝えさせてもらった。  特別な才能を持った若い女性の活躍を喜ぶと共に、そこまでではないかもしれないが、一人一人がとても大切な存在である漢方薬を縁に知り合った多くの若者達の成長を同じように喜びたい。