「なんじゃそりゃあ」と思わず声をあげたくなるような言葉を今朝のニュースで聞いた。マイコプラズマ肺炎がはやっているという特集で、保育園を取材していたのだが、保育士が「園児様の体調を考えて・・・・」と発言した。園児様っていったい何なのだろう。大の大人が子供に向かって様とは、開いた口がふさがらない。おかげで朝から顎関節症だ。どんな意図があってそんなとってつけたような言葉を使うのだろう。少子時代に子供を取り合っているとしか思えない。子供を大切に預かりますよと言う見え透いたキャッチコピーにしか思えない。恐らく保育士の口からとっさに出た言葉ではなく、経営者から強要されている言葉だろう。 患者様が出現して驚いていたのに、これでは患者様も影が薄くなってしまう。影が薄くなってその様な言葉が消えるのならまだ分かるが、より刺激的な「様」が出てくるかもしれない。お犬様はすでに歴史上登場しているから、次はさしずめお猫様くらいか。言葉が乱れているのならまだいいが、僕はその影に計算が見え隠れして不愉快だ。決して様なんて思ってもいないのに「生活の糧を運んでくれるもの」としての評価だけが伝わってくる。本当に尊敬できる人なら様を付けてもいいが、果たしてそんな敬称が似合う人がいるのだろうか。安易に様と呼んでも、呼ばせてもいけないと思う。言葉だけの帳尻あわせは返って不愉快で、見え見えの計算尽くが痛々しい。誰よりも偉くなく、誰よりも劣っていない、それでいいではないか。そんな日常の如何にすがすがしくて楽なこと。 患者様と呼ばれてモンスターになり、手が付けれなくなっている教訓を忘れてはいけない。本当に力がある人は決してそれを行使しない。経済と引き替えに勘違いをさせる方も罪だ。幼い子供達にモンスターの種をまいてはいけない。すくすくと育ってはいけない芽もあるのだから。