B級

 今朝は、ある人の言葉に思わず吹き出し副交感神経優位で始まった。やくみつるという漫画家が、船場吉兆の再開に関してコメントを求められた時「昨日はマック、一昨日はバーミヤンと言うようなB級グルメの私としましては」と言う枕詞を使っていた。恐らく彼の収入からしたらその種の店は縁遠いのだろうが、忙しさからすると彼の食行動も何となく頷ける。食べ物に関しては一定の水準さえ保っていれば拘らないのだろう。外食特有のゴッテリも忙しい人には活力源として必要なのかもしれない。  思わず吹き出したB級グルメと言う言葉に習えば、僕なんか明らかにC級グルメだ。「一定の水準」がかなり低いところに設定されているから、基本的にはお腹がふくれれば何でも良いのだ。外食で言えば絶対必要な条件は、「並んで順番を待たないこと」だけだ。これをクリアすれば何でも良いのだ。洋食、和食、中華何でも良い。だって、洋食ならカレー、和食ならうどん、中華ならラーメンしか選ばないのだから。  こんな職業だからさぞかし健康的な食事をしているだろうと、好意的な誤解をしてくださる人に正直に白状しなければならない。学生時代、毎日2合の米を炊き塩をふりかけ水を注ぎ食べていたのを基本にすればさすがに、牛窓に帰ってからの食事を始め僕が口にするものは相対的に皆健康的だ。地産地消ではないが、牛窓の魚を食べ、牛窓の野菜を食べていれば健康そのものなのだろうが、欲ってやつが常に顔を覗かすものだから、つい欧米人と同じようなものを食べたり、中国人と同じようなものを食べたりする。身体は日本人そのものなのだが、口からいれるものは白人並のものが多い。  豊かさと健康的は必ずしも一致しない。学生時代のように、金が無くて不健康は最悪だが、貧しくても健康的と、豊かでも不健康をささやかな振幅でバランスをとりながら生活しているのが牛窓時代の僕なのだ。