不都合

気力が萎えたのか、体力が衰えたのか分からないが、今年の夏初めて、クーラーをつけて眠った。去年までは、寝る時にクーラーを使ったことはない。窓を全開して、戸外の冷気にあたりながら眠れたのだが、今年は暑さで目が覚め、そのまま寝つけない。悶々と暑さに耐えていても眠れる気配はないし、口が乾いてなにやら危険なものさえ感じてしまう。なにも熱中症は老人に特化したものではない。条件さえ整えば誰にも起こるだろう。  北極の氷が極端に減っている。専門家の予測を数十年早回っているそうだ。専門家が全てだとは言えない。政治の専門家を見てみれば、如何に専門家が怪しいかよく分かる。この温暖化さえ彼らの責任だろう。企業家の利益を最優先に政治をしているから、少々の不都合には目をつぶってきた。少々の不都合に慣れてくると、究極の不都合さえ気がつかなくなるらしい。  日本で最高気温を更新した街の市民が、10年後はどうなるのでしょうね、とインタビューに答えていた。今の数字に驚かされているが、その市民の問いかけは、とても重要なように思えた。