遅配

 夢はいつ捨てたのだろう。目標はいつなくなったのだろう。その日その日を精一杯生きることで、明日は考えなかった。明日は必ずくるものではあったが、明日すべき事より今すべきことを優先した。手持ち時間は着々と減っているから、決局明日は今日に勝る存在ではない。  僕は明日を考えずに生きてきたのか。寝苦しさの中で見る悪夢は、明日の遅配を予感させるが、希望の小包は届けられずに、梱包されたダンボール箱の中で時計の針は止まる。  届かない言葉に打ちひしがれた孤独な背中。破れる前に捨てた夢。立てる前に失った目標。うずたかく積まれた失意のコンテナ。今日は昨日より今日であり、明日よりはより今日なのだ。