老化

 関東から姉が帰ってきている。友人に会う為に数日帰ってきたらしい。お土産にもらったスイートポテトを3個食べた。職業柄、運動量が少ないから消費エネルギーのことを考えて甘いものは最近控えていたが、ちょっと手を出したばっかりに1個では止めれなかった。砂糖は、血液の中に入ると中性脂肪に変わる。血中に中性脂肪が多くなりすぎると、皮膚から排出して命を守ろうとする。その結果、顔がてかったり、フケが出たりする。頭皮からの脂質の排出が多ければ、雑菌感染を起こし脂漏性湿疹となり脱毛を促進する。一連の招かれざる連鎖は避けたいが、甘いものの誘惑はなかなか強烈だ。長いこと行けなかった歯医者さんにやっと今日行けて、虫歯を埋めてもらったのも、3回も手を伸ばした理由かもしれない。  姉はパソコンに向かい、慣れない手つきで棚卸の準備をしてくれた。忙しすぎて誰も手をつけれないで1年が過ぎたが、3月末には避けて通れない儀式だ。姉とその傍で僕を手伝う母を見て、良く働く人達だと思う。両親は薬局をやっていたが、結局50年間、1日も休まなかった。正月も働いていた。それが当たり前だと思って育った僕らは、働くと言うことに全く抵抗はなかった。休みも必要なかった。ただ、子供が育つに連れて、次の世代には年中無休は辛いだろうと休日を取り始めた。今は僕も体に不安を抱え始めたから、自分自身の為に良い選択だったと思っている。良く働いて来た両親には悪いと思うが、大正の人の強さには勝てない。  明日から又甘いものは控え様と思う。てきめんにおでこがてかり始めたから。元々感想肌の僕だから安心していたが、老化とは溜めることなりと思わずにはおれない。無用なものばかり溜めこんで、必要なものは出ていくばかり。身も心も捨ててこそ得るものが多いのに。貪欲の果てに得たものは臓腑の底に沈殿した老廃物ばかりなり。