接待

 昨夜、祖母の家で息子夫婦、孫、甥と話をしていた時に、息子が、接待で飲みに行ったり豪華な食事に連れて行ってもらうのは好まないと言っていた。職業柄、その手のことは日常茶飯事だろうが、何故か今の彼の仲間は全員それが嫌で、自分のお金で行くらしい。と言っても実際には休みが少なくて、休みの日は1日中寝ているらしいから、その手のことはほとんどないのだろう。昨夜も眠そうな顔をしていたから。今日バレーボールの試合だと聞いてほっとした。どこかで気を抜かないとたまらないだろう。接待を受けて借りをつくって、好きでもない薬を使うのが嫌だそうだ。好きな薬を使いたいと言っていた。  僕の薬局では、地位のある人やお金持ちを特別扱いしない。地位やお金のある人は、それだけで大きなことが出来る才能だから、僕みたいな小さな薬局で接待を受ける必要はない。その人達の言葉と行いが一致していれば、その人達は特別扱いをされることを好まないだろう。もし、不順な手段で手に入れたものなら、特別扱いを要求するかもしれない。  僕は子供たちに何かを教えたことはない。ひたすら働いて、子供たちが夢をかなえるのを経済面だけ手伝った。出来れば何かのハンディーをおった人の役に立ってくれればいいと思った。社会に何かお返しできたらいいと思った。肩書だけで生きていくような人間にならないでくれてありがたいと思っている。