ど根性大根

 ど根性大根ならぬ、ど根性パンジーが薬局の前のコンクリートの割れ目から茎を伸ばし、可憐な花を咲かせている。このところの気温の上昇を受けて一気に背丈を伸ばし、20個くらいの花を咲かせている。  皆さんももうすでに目を通していただいているかもしれないが、実は栄町ヤマト薬局には、数年前からホームページが開設されている。T薬剤師が独学で作ってくれているものだ。僕も随分親しんでいるが、なにぶん僕は機械音痴なので、全てをT薬剤師に依存していた。そこで一念発起して、丁度セールスに来たインターネットの会社と契約して、プロにホームページを作ってもらった。若い社員は、誰にでも出来るようなことを言ったが、結局僕は専門用語についていけずに、自分でホームページを管理するのをあきらめた。何もしなくても5年間お金を払いつづける契約で、後悔はなはだしかったが、ここでもまたT薬剤師が助け舟を出してくれた。  こうしてブログなる物も作ってくれて、僕の考えを披露出来る様にもなった。そもそも僕が新しいHPを作ろうと思ったのは、全国にいる、不調を抱えて一人で悩んでいる人達に正しい治療や、知識を発信したかったからだ。薬局に直接来て下さる人には、僕なりに最善のことが出来る。しかし、インターネットで接触して下さる人の中で、病識に対して、特に過敏性腸症候群に関しては、想像を絶する誤解が氾濫していることに気がついた。正しいことを言えば、反駁されることも経験する。他の疾患と比べて明かに思いこみが市民権を得ている。僕は漂流している過敏性腸症候群の人を一人でもおおく、岸辺に救い上げたいと思っている。それは30年前僕が同様の全くの思いこみ病で青春の一時期を棒に振った苦い思い出があるからだ。インターネットの社員にその思いをぶつけたのだが、彼らには何も伝わらなかったのだろう、とても残念だ。興味がある人は、もう1つの手製のホームページも見て欲しい。寧ろ僕の実態を感じてくれるかもしれない。 ど根性パンジーほどの根気もないから、いまさらパソコンを駆使出来るようにはなれないだろう。T薬剤師の力を借りながら、謙虚で正しいと思われる情報を届けられたらと思う。目的は唯一、治ること。