捻挫

 シャッターを下ろしてすぐに、テニスコートに向かったが、足首が痛い。だが、いつものウォーキングは欠かせない。何とか血流を盛んにして免疫が落ちないようにとか、梗塞を防ぐとか、足の筋肉の衰えを防ぐとか、いくつもの報酬を求めて20分間ひたすら歩く。だけど今日は足を引きずりながらのスタートだった。
 いつ捻挫したのか実は気が付いていない。仕事中だとは思うがその瞬間を覚えていない。今日は応援薬剤師のおかげで、従来の疲労程度で済んだ。このくらいならまだまだやれると自信をつけたが、あれを一人でと言われればその日のうちにはすまなかっただろう。無理はしていないはずだし、うっかりもしていない。久々に軽い体を喜んで、結構動いたのも確かだが、捻挫するほどそもそも快活ではない。
 痛い足をかばいながらかなり不自然な歩き方をした。テニスコートの脇を周回しているうちに、幼いころ捻挫をしてずいぶんと治らなかったことを思い出した。小学校のころだ。当時だから何も治療もせず、ひたすら自然治癒を図ったのだが、結構長い間治らなかった記憶が残っている。当時だからちょっとのことで病院にかかるようなことはなかったが、長い間治らなかったことだけ覚えている。その記憶がよみがえった。人生のスタートのあたりと、ゴールのあたりで同じことを繰り返したことになる。
 20分近くなると、痛みが少し楽になってきた。痛いのを理由に動きを抑えると炎症物質が患部にとどまり余計痛くなると、余裕の解釈をしながら家に帰ってきたのだが、家に着くころにはまた痛みが復活した。
 理屈はどうでも痛いものは痛い。明日薬局の中でいつものように動けれるかどうかが、ディズニーランドが再開したことより重要だ。