和気町

 誰に感謝すればよいのだろう。和気町の藤公園だから和気町なのだろうか。今パンフレットを見てみたら主催和気町としてあるからやはり和気町か。
 と言うのは、毎年楽しみにしている和気の藤公園での和太鼓大会が今日あった。珍しく好転に恵まれ、初めて天気の心配をせずに見ることが出来た。強いて言えば暑さだけがこたえたが、水分補給で乗り切ることができる程度だった。そのくらいの我慢なら、今日の豪華な太鼓のメンバーに比べればたいしたことはない。むしろ体も心も熱くなって野外ならでの楽しみようが出来た。
 香川県から参加の「響屋」は、若い人がめきめき実力をつけ、随分と上手になった。迫力も増した。香川県ではナンバー4あたりを行っているのではないかと思う。あの若者達がこれから何処まで伸びるか楽しみだ。
 山部泰嗣とメンバーは、黒い服でも着れば、裏街道を歩くかのごとくの風貌が揃って、太鼓道を極めんばかりの直球勝負が見ていて共感を呼ぶ。こんなに至近距離で今まで見たことがなかったので、顔の表情まで見入っていたが、皆いい顔をしていた。
 志多らはフルメンバーではなかったが、やはり安定した実力で、旨く会場を盛り上げていた。太鼓ファンばかりではない野外の公演も慣れたもので、多くの観客の心を引きずりこんでいた。
 これだけの太鼓の競演で無料なのだから、一体どのくらいの人がその価値が分かっているだろう。ざっと計算して1万円近くのチケットが無料になったと同じ事だと思う。僕にはその価値がよく分かる。今日僕は1万円を拾ったのだ。そしてそのお金で、明日も明後日も、来年の今日まで頑張ろうと思った。