知性

 午後8時半ころ、僕は夕食を終えて薬局に降りてきて、ブログを書こうとしていた。そのときに電話が鳴った。当然僕は近くにいたから受話器をとったが、2階にいたら聞こえないから出ることはできない。いわば天然の留守電だ。
 よく知った女性からの電話だった。牛窓に引っ越してきて、数年間過ごした後、再び東京に帰って行った女性だ。東京に帰ってからもすでに数年経つが、薬の注文をしばしばしてくる。僕の薬局とめっぽう近い所に越してきたから、日常でも顔を合わすこともあったが、その祖父がある分野で超有名な方だったので、そして僕の漢方薬になぜかほれ込んでくれたことで、孫にあたるその女性やひ孫たちの漢方薬を作る機会が多かった。
 昨夜も、コロナにかかったときの漢方薬、コロナやインフルエンザにかかりにくい漢方薬ノロウイルスみたいな胃腸風邪、普段怪しいと思ったらすぐ飲む風邪薬3号と言う薬局が作ることが出来る現代薬の風邪薬などを注文してくれた。あの天下の東京でも、こうした要望に応えてくれるところはないらしく(探せばあるに違いないが、近所にはないのかな?)電話をよくかけて来る。
 ひとしきり薬の話をした後彼女が言った「遅くまでやられているんですね!」と。
僕は思わず噴き出した。偶然電話の傍にいて、この時間にかけてくる人は困っていて、止むにやまれず電話をしてくる人が多いから出ただけで、この時間までやっていると思ってかけてくる人はまずいないだろう。近所にいたからそのあたりは覚えているだろうと思うが、そういった気配りが出来るような出来ないような、微妙な個性の持ち主で、僕が嘗て本人に言っていた言葉を思い出した。「自分(あなた)本当に東大出とんか?」「それで、何で東大に行けたんじゃ!」
 娘とほぼ同じ年頃だから何の遠慮もなく言っていたが、そうした言葉を気楽に出させるくらい、知性のかけらも見せなかった。その態度こそが知性そのものだったのかもしれないが。

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