刑務所

 運転中の車のテレビだから画面は見えなかったが、ある少女がシリアの内戦状況をツイッターで世界に知らせているらしい。恐らく小学生くらいだと思う。目の前で友人が爆撃で殺され、家々が破壊されるのを目撃し、ついには自分の家も破壊されてトルコに脱出したらしい。その間の状況を映像とともに発信している。印象深い話が沢山あったが、一番耳に残ったのは次の言葉だ。アサド大統領とロシアのプーチン大統領に宛てた手紙で、シリア軍やロシア軍による空爆を非難するもので、「爆撃をやめて、私の友達を殺した責任を負って、今すぐ刑務所に入ってください」と書かれている。  環境しだいで幼い子供がここまで正義感を発揮できるのだ。決して望ましい環境ではないが、地獄がこんなに人を成長させるのかと驚いた。一見豊かな国ではありえないことだ。大人になっても世の不条理に気がつかないようなこの国とは全然人の心のありようが違う。今の若者にも中年にも老人にも正義感などと言うものはあまりない。世の理不尽を見て見ぬ振りをするしか能がなくなっている。臆病で怠惰だ。  アサドとプーチンに今すぐ刑務所にと、とても短い言葉で、しかしその言葉以外に彼らを表す表現はないくらい的を射ている。命中だ。あれだけの人間を殺して生きているなんて許されるはずがない。一瞬ですんでしまう刑では軽すぎる。ニシキヘビを首に巻きつけるなんてのはどうだろうか。今まで殺した人たちの怨念を全て受け止めて逝かなければならない。スッとなんかありえない。ゆっくりゆっくり窒息を。  あの少女に是非日本向けに情報を発信して欲しい。この国にもプーチンやアサドと同じレベルの人間がいるから。アホノミクスと言う平成の天皇になったつもりの人間だ。「100億円もの住民の土地や税金を自分の友達にただで差し出させ、書類はなにもないと疫人に言わせている責任を負って、今すぐ刑務所に入りなさい」