支離滅裂

〇〇〇君へ

失敗体験しか役に立てるものがないのでまた続きを書きますね。 僕は彼女が出来て成績がどんどん下がりました。大学の試験場で問題を配られて見た瞬間、 ほとんど解けるような気がしました。ところがいざ解こうとするとどうにもならないのです。 ある時期まで一所懸命勉強した貯金で解けるはずだったのですが、試験場でその貯金が遊びまくった長い月日の間に底をついていたことに気がつきました。自業自得です。 無残なもので、現役のとき受けた大学は全て落ちました。 浪人して勉強する気が起こらなかったので、浪人仲間とサッカーのチームを作り、社会人の大会に出たりしていました。 お金がないので、グンゼの青色の下着を買って、それをユニフォームだと偽って試合に出ていました。 今思えば「悲惨」としか言いようがないです。結局皆現実から逃避したかったのだと思います。 1月になって後がないことを悟って一念発起しました。それまで勉強をしたくないために、母の実家から予備校にバイクで通っていたのですが、実家に帰り2階に引きこもりました。50年前のことですが今でもよく覚えています。睡眠時間は恐らく4~5時間くらい。寝ても夢ばかり見ていました。そして初めての経験ですが、歯軋りをしていることに寝ながら気がつきました。追い詰められて焦って、そして頑張ったのだと思います。君は3時間くらいで目が覚め、その後2回くらい目が覚めるらしいですが、全く持って当たり前のことで無視してください。若いあなたなら十分の睡眠時間です。僕の尊敬する漢方の先生は2時間無意識の時間があればいいと言われます。あなたはその倍から3倍眠っていますから十分です。  浪人してから僕は大学は何処でもいいと思い、受かりやすいところを探しました。東海大学水産学部と高橋経済大学を今でも覚えています。何故そこを見つけたのか分かりませんが、入ればいいくらいの気持ちだったのです。もともと将来就いてみたい職業などなかったのでこりはなかったのです。たぶん文系の頭なのに、薬局を継ぎたくない一心で理系に変わり医学部を受けたりしたのですが、支離滅裂もいいところです。今思えば如何に理性を失っていたかよく分かりますが、理性などないのが青春です。破壊的に生きるのが青春期なのです。だから今のあなたの惑いを僕は全て支持します。迷って迷って生きてください。それがあなたの人生を紡ぎだすのです。あなただけの人生と言う作品です。そしていつか僕くらいの年齢になったら省みてください。「人生はだらだらと続いている冗談なのさ」と心から思えて力が抜けるときが来ます。青春時代は決して楽しい時期ではありません。くだらないことを言い、くだらないことをしなければ持たないほど辛い時期なのです。 あなたの住む所も田舎ですか?山があり、川は流れ、鳥が歌い、セミ達が鳴きますか?

                                               ヤマト薬局