条件反射

 「漢方薬が効いたのなら、そうされたらいいですよ」と大病院の偉い先生が言ったそうだが、それは漢方薬を評価して言ってくれたものではない。恐らく4回も何の用事か知らないが電話をしたからいい加減嫌になったのだろう。僕には分かるし、その人自身もうすうす分かっているみたいだ。  病気になれば薬と、ほぼ条件反射みたいに人は思い浮かべるみたいだが、どうもそれが裏目に出ているのではないかと言うような人に遭遇する機会が増えた。病気則薬だから、病気が増えるたびに薬が増え、薬が増えれば薬の副作用で病気のような不快な症状が出現するから又薬。悪循環を重ねている人が目に付く。薬を所望する患者も単純だが、その要望に応えたり、薬をどんどん増やす医者も単純だ。  娘夫婦が気が付かなければその患者に8種類の薬を調剤して出すところだった。他所の病院で薬をもらっていることを2人は知っていたから、処方元に電話してその薬は飲めないと申し出たから6種類に減ったが、それでも6種類の心療内科の薬を飲んでいる。頭がボーっとして一日中倦怠感との戦いだ。薬が切れそうになるとイライラしてじっとしておれない。睡眠薬を飲んで寝ても満足に寝れないから、昼からその睡眠薬を飲もうとする。そんな泥沼を、調剤薬局と言う理由で受け入れる。紳士協定で何も言えないから歯がゆさだけが残る。何十年もそうした治療を受けて、段々権威のある先生にまで手を伸ばし、結局は同じだったと諦めたところで初めて相談を受けたから、漢方薬でお手伝いした。一気にある症状が2つ解決した。処方箋を10年々持ってきていたが、ただ調剤された薬を持って帰るだけの関係だったが、漢方薬を出しだしてから随分と長居して話して帰る。話すとスッキリするらしくて笑顔がかなり増えた。本人はもちろん嬉しいだろうが、お医者さんも嬉しいのではないか。大先生のところに1日4回も電話する患者なんていないだろう。恐れ多くて「頭が高い、控えおろう」の世界だから、電話がかからなくなれば先生も大助かりだ。  東京都で市場の移転に絡んで大嘘がばれた。何処の世界でも日常茶飯事のことだろう。医療の世界だからそんなことはない・・・なんてありえない。薬や医療なんかよりはるかに大切なものがあるはずだ。生き物を傷つけず、人を傷つけず、社会を傷つけず、川や海を傷つけず、畑や田んぼを傷つけず、森や山を傷つけず、月を消さず、星を落とさず。