ユニットバス

 僕が生理的に絶対受け付けないのが、アホノミクスとユニットバス。正確な表現かどうか知らないが、僕の言うユニットバスとは、風呂の中にトイレがぽつんとあるようなものだ。僕のイメージでは、トイレは壁を背にしているものだし、そもそも風呂場にあるのがおかしい。あんなに広々としたところでの孤独な作業は似つかわしくない。  こんな時代遅れの僕の考えを肯定してくれるような論文が発表された。以下に示すものだが、要はウンチのほこりが風呂の中を浮遊しているってことだ。いや、トイレの中を浮遊しているってことだ。いやトイレ付の風呂の中を浮遊しているってことだ。  洗面所においている、いや風呂においている、いやトイレにおいている、いやその全てが一箇所になっている空間においている歯ブラシを調べたら糞便で汚染されていた。ウンチまみれの歯ブラシで歯を磨いているのだから、他者のウンチを体に入れることになる。後は論文に任せるが、お腹の中は他者との共存だ。便利とも、きれいとも、垢抜けているとも思わなかったあれがやはりウンチまぶれとは・・・何か変、何かおかしい・・・古今、人がそんな感情を抱いたものはほとんど怪しげなものだ。

ユニットバスを大勢で共用すると、歯ブラシに糞便物質(Fecal Matter)が付く可能性があることが、米クウイニピアク大学(コネチカット州ハムデン)のLauren Aber氏らによって示され、米ニューオーリンズで開催された米国微生物学会(ASM)年次集会で発表された。なお、データおよび結論は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなす必要がある。  研究では、平均9人以上が使用する共同バスルームを使っていた学生の歯ブラシを分析した。その結果、保存方法にかかわらず、60%以上の歯ブラシが糞便物質で汚染されていた。また、歯ブラシの糞便物質が他人のものである可能性は80%だった。歯ブラシの洗浄方法が、マウスウォッシュ、冷水、温水などのいずれであっても、洗浄の有効性に差はみられなかった。  Aber 氏は、「主な懸念は、歯ブラシが他人の糞便物質で汚染されることだ。他人の糞便物質には、自身の正常な細菌叢には含まれない細菌、ウイルス、寄生虫が存在する。歯ブラシカバーでは細菌増殖を予防できず、むしろ歯ブラシの毛が湿った状態で保たれるため、細菌増殖にさらに適した環境を作りだしてしまう」と述べ、米国歯科医師会(ADA)の歯ブラシの衛生に関する以下の推奨に従うべきだとしている。  ・歯ブラシを共有しない ・使用後、水道水で歯ブラシを洗い、空気乾燥させるためまっすぐに立てて保管する ・同じ歯ブラシ立てを使用する場合は必ず、二次汚染を避けるよう離しておく ・歯ブラシカバーを使用しない