難問

 その後どうなったのか分からないが、人に被害が出ていなければ万々歳だ。  姫路西から山陽道に入ってまもなく、前方にあたかも野焼きの煙が進入しているように見えた。近づくとなんと走っているバスの後方から煙を出しているではないか。結構遠くから見えたくらいだから、少しの煙ではなく、後ろ半分くらいが煙に包まれていたように見えた。助手席と後部座席に乗っているかの国の女性達は、僕の驚きの声にもめげず爆睡状態を維持したが、結構大きな声を上げてしまったのは覚えている。それはそうだろう、反対車線の僕の車にも煙が及びそうなくらいだったのだから。  その後懸命に安全運転を心がけて、かの国の女性達を連れて帰ったのだが、ふと気づいたことがある。20分くらいは走っているはずなのに、なんと反対車線は渋滞でほとんど動かなくなっていた。確かに煙に驚いたのか、バスの後ろ100メートルくらいのところで後続車は止まっていたが、考えてみれば、僕が80kmで走るのより早く、渋滞が繋がったことになる。そんなことが起こりうるのだろうか。確かに正月二日目の姫路も街中は渋滞で、特に城あたりは大変な人出だったが、高速道路で車を連ねて少なくとも20km、いやもっとあるだろう、長い渋滞が時速80kmを上回る速さできるのだろうか。渋滞はほとんど岡山県境辺りまで続いていたのだから。  素人の浅はかさで、全く考えられないことを目撃してしまったので頭が混乱している。どんな要素を加味すれば難問が解けるのかわからない。いややっぱり単に事実なのかもしれない。出かける回数が増えればこんなことにも遭遇するんだと、ますます緊張を強いられる。