紅参

やはり、そうは問屋が、いや電話をした相手は問屋ではなく、製薬会社だったが、降ろさなかった。せっかく、その生薬を飲んでいる多くの人の役に立てると思ったのに残念だ。この1年くらいの間に見る見る値段が上がった生薬の中でも「紅参」は筆頭かもしれない。もう優に2倍以上にはなっているだろうし、まだまだ上がらない保証はない。すでに庶民には高嶺の花になってしまった。僕はもう何十年もこの薬草を使っているが、今までこの生薬を選択するのに何のためらいもなかったが、今ではつい相手の経済を考えてしまう。お金がある人だけが健康を買える、もうずっと若いときに感じていた危惧がかなり現実味を帯びてきた。  何気なく見ていた薬価表(厚生省が保険で使える薬の値段を決めたもの)で、紅参を見つけた。そしてその値段が僕が今仕入れているものの半値なのだ。これならたくさんの人にまだ紹介できると思って早速製薬会社に電話をしてみた。学術の女性が電話に出てくれて、紅参は現在経過措置中で品物がないと教えてくれた。専門用語でわからないと思うが、僕が彼女に言った言葉をそのまま載せれば容易に理解できると思うから、再現する。「結局、あの値段では儲からないからもう扱わないんじゃろう?」大正解だ。あっさりと彼女も認めた。国が定めた薬価と言うものは2年間変えることが出来ないから、売れば売るほど損をするってことだ。仕入値段が倍以上に上がって、同じ値段で売っていたら当然と言えば当然だ。かくして僕の希望は一瞬の幻に終わった。善意も意外と実現しないものだ。いや、善意だから実現しないのか。  番外編・・・気がつかれた方もおられるかもしれないが、一太郎からワードになったせいで、段落がうまく出来ない。出来ないから連続で最近は一気に最後まで書いてしまう。仕方ないから今日は、一段空白を作って段落を変えてみた。こうすれば段落が作れた。漢方問屋の専務さんが来て教えてくれるまで、こうした段落作りしか出来ないかもしれない。読み苦しくてごめんなさい。  もうひとつついでに番外編・・・返信してもメールを受け取っていただけなかった人の一人が解決。あと二人、携帯電話の着信拒否を解除して!返事をもう何回も送っているので。