春風亭昇太

 糖尿病や耐糖能障害例では運動療法が推奨されているが、本研究は「運動療法が心血管イベントを減少させる」というエビデンスを世界規模のコホート研究で実証した点で価値がある。NAVIGATOR試験は、高リスクの耐糖能障害例において、1)インスリン分泌促進薬であるメチグリニド系血糖降下薬ナテグリニド と、2)ARBバルサンタン が各々心血管イベントを抑制するか否かを検討した2×2の介入試験であり、いずれの薬物も心血管合併症を抑制するという結果をもたらさなかった。しかし本研究では、日常活動度と心血管イベントの発症との関連を観察するという検討も行っており、これはその成果である。 万歩計での歩数が2,000歩上がるにつれて心血管合併症発症率は10%づつ減少し、1年の間に運動量が減少すると心血管イベントは増加、逆に運動量が増えるとイベントは減少するという負の相関を示した。

 それじゃ駄目じゃん、春風亭昇太ではないが、やはり「それじゃあ駄目じゃん」  処方箋でしばしば見かける代表的な糖尿の薬と高血圧の薬が、心筋梗塞その他、心血管系の病気の合併症を抑制できないそうだ。むしろウォーキングの方が確実に危険を減らすことが出来るというのだから、「ブルータスおまえもか」だ。このところ医療用の薬も、ポリグリップに成り下がったようで、しばしばテレビで患者の開拓にいそしんでいる。ほとんど形を変えた脅迫ではないかというような内容の宣伝をしている。ウツのコマーシャルで日本中でウツ病患者が増えたし、逆流性食道炎のコマーシャルで胃酸が出ているのかというような老人までが逆流性食道炎になった。どうも日本人は薬の消費者、いや産廃業者に成り下がったようで、あたかも健康が薬を飲めばて手に入るかのような錯覚を植え付けられている。本人のためではなく、医療従事者や製薬会社の為にせっせと病気を作り薬を飲んでいる。  何千億円売り上げている薬か知らないが、ただで出来るウォーキングに勝てないようでは価値がない。その価値がないものに何千億円?「それじゃあ駄目じゃん」。