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 「上海市は16日夜、人への初めての感染例となった87歳と27歳の男性が3月上旬に死亡した病院の患者4人が感染し、このうち2人が死亡していたと発表。当時、この病院内で「人から人」への感染が起きていた可能性が浮上したが、感染ルート解明につながる情報は伏せたままだ」  都市名、病名などをそっくり変えれば何にでも応用できそうな記事だ。古くは足尾水俣、最近では福島、全く同じことが繰り返されている。情報を出したくない理由は権力を持っている人間達、あるいはそれに群がる人間達を守るためだ。ほとんどの場合、被害者は庶民だが、それらをいち早く守ろうとする行動はまず起こさない。それどころか自分たちの非を認めないために、安全を強調し、科学的見地をねつ造するのは世の常だ。 最近やたら東北の映像が多い。もう全ては終わったと、人々の頭から消し去るチャンスとばかりに、東北礼賛の映像が多い。人々が笑顔で生き生きと暮らしている映像を垂れ流されると、多くの人は危険が去ったかのように錯覚してしまう。まさに思うつぼに落ちてしまいそうだ。ありとあらゆる手段を使って、もっともそれは庶民のなけなしの税金ではあるのだが、安全を吹聴されればかの地のものを食べたり飲んだりもするだろう。かくして犯罪者達は再び栄耀栄華を欲しいままにする。  家に帰れば、子や孫を愛おしむごく当たり前の人間達が、集団になれば飛んでもない奴らの手先に成り下がる。そして裁かれない悪事の実行犯になる。国が違っても、時代が違っても、テーマが違っても。