にゃろめ

 「にゃろめ、目にもの見たか!」今朝は昔年の恨みをはらせてスッとした。  月曜日と木曜日は生ゴミの収集日だ。薬局の前の収集場所は、長年カラスに荒らされて、収集車が帰った後を掃除するのは当番の役目だった。無惨に散乱したゴミの発する臭いに耐えながら当番がほうきを使うのは見慣れた朝の光景だった。我が家がこの辺りの世話役になった一昨年に責任感から、いくつかのすだれの使い古しで生ゴミを隠すようにしたらカラスがゴミ袋をつつかなくなった。収集場所の問題は片づいたのだが、その頃から猫が我が家のゴミを荒らすようになった。 廃材を利用していくつかの簡単なバリケードを作り猫の侵入を防ごうとしたのだが、敵はかなりの運動能力があるみたいで、ことごとく破られてきた。時に成功することがあったが、9割の確率でやられている。ほとんど目撃したことがないから凶行は深夜に行われているみたいだが、頭がいいのか筋力があるのか、あるいはその両方を備えているのかなかなかのものだ。飼い猫だったら褒めてやりたいくらいの能力だ。 いくら囲っても駐車場に置いておいては無理だと思い倉庫に置くようにしたのだが、不思議なことに戸を閉めているのに荒らされたりした。日中換気の為に戸を開けておかなければならないから、その時を狙われたのだと思う。夜行性だと思っていたのに裏をかかれた。神出鬼没とはこのことだ。 昨夜いいことを思いついて実行に移してみた。実は母はもう紙おむつにかなり頼らなければならなくなっている。日に何枚かが尿を大量に吸い込みゴミ袋に捨てられる。それ専用にトイレにゴミ袋を置いているのだが、結構なスピードで一杯になる。ただ尿を吸っているから目一杯入れるとビニール袋が破れるくらい重たくなる。いわば形は違っても尿の塊なのだ。だからいくら防臭機能が付いていてもそれはそれは・・・ 昨夜如何にも漁って下さいとばかりに、そのオムツがつまったゴミ袋を2つ駐車場に置いて寝た。生ゴミは勿論倉庫に入れておいたが、おとりの二つは特売状態だ。今朝、夜明けを待ってワクワクしながら覗いてみると、口を締めていた袋の方が一部破られていたが、何も散乱していなかった。もう一つの方は形さえ崩れていなかった。まさに撃退だ。きっと猫の鼻がもげただろう。(もげるは歪むという意味、岡山弁?)これこそ僕が発明した「忍法紙おむつの術」やっと長年の宿敵に一矢報いることが出来た。あまりの悪臭に退散するところを見てみたかった。にゃろめ!