余白

 職業の差か、年齢の差か、住んでいるところの差か、交友関係の差か、はたまた体格の差か。この軽快なフットワークはどこから来るのだ。   「先日は急にお邪魔いたしました。実はお邪魔した翌日より家族で東京に行く用事があり、このままではせっかくの東京行きなのに楽しめないな、と思ってました。(旦那が昨日、新宿で即興演奏のライブがあったのでついて行きました。)帰宅後、食後に1包服用して、翌朝には○○がうそのようにぴたっと止まってました。東京にも薬を持参しており、服用しておりましたがその後現在のところ○○がありません。お陰さまで、何の不安もなく楽しむことができました」  僕なら楽しめないなと言うより、まず行かない。ただでさえ動くのが億劫な質なのに、体調不良を抱えてまで移動はしない。余程大切なことでもあれば無理を押してでも行動するかもしれないが、並の用事くらいでは体調最優先だ。体調が整っていないとそもそも帰ってこれるのかどうか不安がある。  これでも若いときには、ギュウギュウ詰めのデッキで4時間立ちっぱなしで東京くらいには行けていたのだが、それも発作的に決断して出かけていたのに、今は計画をしているときからもう気分は萎えてしまう。行けるときに、若いときにと先人達は教えてくれたが、教えの通りだ。順繰りに言葉を残してきてくれているのに聞く耳を持たなかった。その付けは恐らく大きくて、多くのものを経験せずに人生を終えることになるのだろうが、ほとんど自業自得にも思える。紹介した若いお母さんのような軽快なフットワークどころか、心配の方が「ふっと沸ーく」ようではこれから先も、余白だらけの人生のような気がする。