日本一

 やっとこれで日本一の漢方薬局になれた。いやなれたに違いない。いやなれたかもしれない。いやなれたんじゃないかと思う。いや、なれるに決まっている。いやなれるはずだ。 勿論、効く確率が日本一ではない。売り上げでもないし、客数でもない。スタッフの数でもないしサービスの質でもない。僕が日本一だと自負しているのは駐車場の広さだ。  今日の午前10時をもって道路の対面にある空き地がヤマト薬局のものになった。113坪の広さの全てが駐車場になれば、1度に20数台駐車できる。これだけの広さの駐車場を備えた漢方薬局が日本中探してあるだろうか。「何、北海道ならありうる?」そうかさすが北海道、そんなこともあるから断定的な言い方は止めよう。ただし、これならどうだ。お客さんの数で広さを割った数字が日本一。これなら自信はある。閑古鳥と言う飛べない鳥を飼っている僕の薬局だから、一台頭で割った数字はダントツの広さを誇るのではないか。これなら相手が北海道でもアラスカでも負ける気がしない。 明日からの仕事が楽しみだ。でも壮観だろうな、想像してみただけでワクワクする。113坪の駐車場に、1台しか留まっていない光景を目撃したら。いや間違った。ワクワクではなく、クラクラだった。