土壌

 知ってか知らないでか知らないが、1000倍もするのもを何のためらいもなく買うのだから、やはりこの国は豊なのだろう。その事を僕など知りもしなかったが、何となくその行為が不自然だからほとんど手を出したことがない。  何処ででも見られる光景だが、ペットボトルの水を飲んでいる人が多い。僕なんかわざわざ水をお金をかけて買うことが信じられない世界だから、あまり深く値段のことまで考えたことはなかったが、ある人が調べた試算ではおよそ1000倍の開きがあるらしいのだ。この倍率でおよそ人が買うものってあるだろうか。テレビにしたって車にしたって、いやもっと身近なものでも他に考えられない。消費税の数パーセントの攻防でも懸命なのだから、この倍率の異常さが指摘されれば良く分かる。逆を言うとそれだけ水は、身体に直接的な影響を与えると多くの人が認知しているってことだろう。塩素ごときで金を出すのは惜しい気がするが、こと放射能に関しては安全な水を大金を払って手にする気持ちは良く分かる。ただ本当に正しいことは、安全な水を手に入れる代金を犯罪者集団に払わさせてこそだと言える。東に住む人達はペットボトルの請求書を東電や学者や政治家に回すべきだ。何で被害者が身銭を切って払わなければならないのだろう。こんなことが先にも後にもあり得るのだろうか。強きに弱く、弱い者にやたらと強いのは、どこかの中学校のいじめの構図そのままではないか。誰があのような中学生を作ってきたのだろう。あの忌まわしい土壌は毎日毎日、この国の大人達が、それも立派な肩書きを持っている奴らが作っている。