死罪

 今時韓国ドラマを見ていたりしたら怒られそうだが、いいものはいい。オリンピックで3週間飛んだが、昨夜は久し振りにソンヨンに会えた。何ていじらしいんだと、実際にはいそうにない人格を愛おしく思ったりした。ソンヨンの幸せを共に歓び、ソンヨンの不遇を一緒に哀しむ。なんなんだ僕は。 その道を卒業して何十年も経つから、今では客観的に女性のすばらしさを見つけ語ることが出来る。逆に、醜さも見つけ語ることが出来る。女性だけではなく男性でも同じことだ。毎日多くの女性(男性)と接する職業を何十年やって来たから、それも職業がら素の自分を出してくれることが多いから、何十万の個性と接してきたことになる。多くは善人で、社会が崩壊しない骨組みは彼らが作っている。とても強固だが時としてそれは破られる。幸い僕が生きている間にそんな状況を目撃することがなかった。運のいい世代なのだ。  自分は、家族や親族を含めることが多いが、傷つかない立場でやたら勇ましい人間がいる。胡散臭さは見抜かれているのに、自分が気がつかないから質が悪い。そんなやつを尊敬しているのか利用しようとしているのか分からないが、またぞろ幽霊のように出現しそうだ。いざ表に立ったときに、うつ病になり目が泳いでいたざまを多くの人は覚えているだろうに、自分は忘れたか。  もうどうにでもなれと全てをなげうって、青春時代のように再び自虐的に生きてみたい。希望や夢や目標などと、未来志向のものは何もなかった。只、今をどう過ごすかだけがテーマだった。いやいやいっそソンヨンが暮らしていたあの時代に帰って「王様、私を死罪にしてください」と何かしくじるごとに言っていうようか。僕がいうと嘘丸出しだから、きっちりやられそうだが。