光景

 それはなんとも言えぬ心温まる光景・・・なのだろうか。夕方から見ていたNHKテレビで同じ町の暮れから今日までの二つの光景が放送されていた。  その町はあれから急に有名になった。それ以前には聞いたこともなかった。もっとも東北地方は、西の人間にとってはほとんど異国の地で、余程有名でないと地名は耳にしないが。  AKB48の6人がその町を訪れて、体育館で歌を披露した。その後地元の幼稚園に赴き園児達と楽しいクリスマスを過ごした。幼い子供達と握手や抱っこをして、可愛いを連発していたが、僕はまだその町に幼い子供達があんなに沢山残っているとは思わなかった。体育館の観客も女子学生達が一杯詰めかけていたから、かなりの人達が今もなお嘗てと同じように暮らしているのだと知った。  その後のニュースで、イチゴ狩り農園が再開したというニュースが流れた。ボランティア達に勇気をもらって、絶望からの再出発とのことで、見ていて感動的でもある。だが、そのイチゴを美味しそうにほおばっているのは地元の招待された園児達なのだ。大きくて見るからに美味しそうなイチゴを、胡散臭そうな大臣の前でほおばっている。検出せずと言う票まで見せて、幼子を使って安全を強調したいのだろうが、検出せずの数値が9とか7.5以下では、隠しているとしか思えない。検出せずと言う表記は、その機械では検出できないでしかないのに、いかにもゼロに等しいと誤解を与えてしまう。  危険だから逃げろと言わずに、ひたすら安全をくり返したこの放送局も、今だ何を守っているのだろう。自分たちか、それとも加害者(社)か、それとも政治家どもか。