ヨーグルト

 偶然かもしれないが、昨日過敏性腸症候群漢方薬を飲んで頂いている二人の女性と同じような内容の会話をした。  二人ともまずまず順調に改善傾向にあるのだが、この2週間思いがけず調子を崩したというのだ。二人の共通点はヨーグルトだった。二人ともがヨーグルトを意図的に食べているらしかった。お腹のためによいと思って食べているのか、牛乳の代わりに食べているのか、好きだから食べているのか分からないが、少なくとも3番目の理由ではなかったと思う。僕は3番目の理由なら食べてもいいと思うが、何か健康にいいからと言う理由では実はそんなに重きを置いていない。病院からも乳酸菌製剤が処方されて出ていることが多いが、何か特別それで元気になっている人を目撃しない。抗生物質を飲むときにお腹の善玉菌も一緒にやっつけられるから予防で飲むことはあるが、それ以外には余り意義を見つけられないのだ。お医者さんもそんなに期待しているふうにはない。ましてそれがヨーグルトとなると、冷蔵庫の中で冷やされている分、冷たい食べ物と言うところばかりが目につく。真夏ならいざ知らず、最高気温が20度に届かない季節となれば、いくら着衣を重ねていてもお腹の中は冷えるだろう。  そもそも、農耕民族で牛乳など飲む習慣がなかった民族に、乳製品を消化吸収する能力が備わっているのかどうかも疑わしい。それが証拠に牛乳蛋白を受け付けずに、飲めば下痢をする人の割合が結構高い。形を変えても所詮乳製品に違いないのだから、完全に消化吸収されるのかは疑問だ。僕も善玉菌を増やす材料を多くの方に使っているが、東洋人には植物由来のものがあうような気がする。  テレビであれだけ宣伝されれば身体にいいと思うだろうが、すべての人にとは言えないのではないか。過敏性腸症候群で、時に食事療法を聞かれることがあるが、いつも好きなようにと言っている。敢えて頑張らないことがいちばんの薬だと思っているから、「好きなように」が大切なのだ。過剰な養生はいらないと思っている。あの忌まわしい性格(過敏な精神)はずぼらでしかうち消すことが出来ない。とくに僕ら凡人は。