砂場

 池田小学校事件以来だろうか、学校が門を閉じているのが普通になったから、校内に入るのは気が引ける。いちいち許可を得て入るのも面倒だし、自分の仕事時間を費やしたくないこともあってこの2日間、早朝に町内の4つの学校を回って放射線量を測っている。 今朝はすでに2校で先生が登校していて、その中の一つの学校ではわざわざ近くまで来て挨拶をされた。もっともまずは不審者かと思ったのだろう、運動場の端にいた僕に校舎から大きな声で挨拶をされた。それで不審者かどうか見極めるのだろう。大きな声で挨拶をされたので僕も大きな声で挨拶を返し自分の名前を叫んだ。すると教頭先生が寄ってこられて僕の行動を理解してくれた。 昨日、運動場と砂場の放射線濃度を測ったのだが、過去(福島の水素爆発以前)の岡山県のデータとほとんど変わりはなかった。ただ砂場の土を10cm掘って測ったら気持ち高いかなという感触を得た。そこで今日はもう少し深く、20cmの穴を掘って測ってみた。すると測定した3つの小学校と一つの幼稚園全てで18%から38%の放射線濃度の上昇が見られた。素人だがこの変化くらいは容易に想像がつく。3月の水素爆発の時に飛来した放射性物質が、雨で地表から土中にしみこんだのだ。その深さが10cmの所辺りをすでに突破して、20cmあたりまで達していると言うことだ。明日は園芸用の小さなスコップではなく作業用の大きなスコップを持っていって30cmの深さの穴を掘って測ってみようと思っている。  今日ある学校で保健委員会というものがあってそれに出席してきた。その席で、携帯電話の電磁波についても、放射線についても自分で自分を、そしてあなた方がお子さんを守るしかないと話してきた。胡散臭いものを見破る力を養ってと頼んできた。国や企業に雇われた学者達がそれらに都合の良いように動いて来たことが最近の事象で透けて見える。もう権威などを信じないことだ。肩書きはどうやら積み重ねた努力で手にするのではなく、すり寄った権威から与えられるものらしいから。不自然なものを顔の表情や言葉から感じ取り選別出来るフィルターを誰もが持つべきだ。相手は国を挙げての総力戦でオレオレサギを働いているようなものなのだから。