構図

 さぞかし無念だったろうなと思う。込み上げてくるものがあったのだろう。     {東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応に当たるため、先月、内閣官房参与に任命された小佐古東大教授(放射線安全学)は29日、国会内で記者会見し、「政府の対応は法にのっとっておらず、誰が決定したのかも明らかでなく、納得できない」として30日付で参与を辞任することを明らかにした。その後、記者会見した小佐古氏は、辞任理由について、「今回の原子力災害で、官邸の対応はその場限りで場当たり的だ。提言の多くが受け入れられなかった」と語った。具体的には、政府が示した年間20ミリ・シーベルトという小学校の校庭の利用基準などを挙げ、「この数値を小学生などに求めることは許し難い 」と語っている。} 黙っていればすむことかもしれないが、良心に背くことが出来なかったのだろう。自分のヒューマニズムが許さないと言っていた。1ミリシーベルトから20倍に許容量を増やすことで将来続々と現れる癌発症者に補償しなくてもすむだろう。責任はそれこそ20分の一ですむ。この無節操な変更は誰を守ったかは見え見えだ。是非この策動の張本人達を東日本の人達は覚えていて、逃げ得を許さないでほしい。多くの命の危険と引き替えになるものを是非いずれ支払わせるべきだ。田舎者と庶民が犠牲になる構図にいつまでも甘んじていたら犠牲になる人達が浮かばれない。原子力を推進した人々と、住民を守ろうとしなかった人々の両方を覚えておくべきだ。そして絶対許さないことだ。20年後にのうのうとさせないために。