先生こんばんは  なんと、私、今月から仕事をしています。 せっかく先生に生きかえらせてもらった体なのだから、何か誰かのために役立てたいとずっと思っていました。なので、昔の経験を生かしてヘルパーをすることにしたんです。今はまだ訪問先は一軒だけだけど、おばあさんに訪問介護させて頂いています。おばあさんのお世話をしながら先生のことをたくさん思い出します。先生ありがとうって何度も何度も思います。先生のおかげで今、一人のおばあさんのお世話ができているんです。こんな気持ちで・・・  私、実はいつも先生が父だったらな・・・って思っていました。こんな人生送らなくてよかったのにって。でも、あんな人生送ったから、たくさんの素晴らしいことを知ることができたし、今の私がある。何だか複雑な気持ちになるけれど、やっぱり先生は私にとってお父さん、尊敬する人、命の恩人・・・です。 先生、忙しいのは十分わかっているんですけど、また時々、メールさせてください。過去の最悪人生の話じゃなく、先生が作ってくださった今、これからの私の人生の報告を時々させてください。なので、先生、ずっと元気でいてください。先生に助けてもらった体で小さいことながらも役にたってるのかな、って思うと幸せで幸せで。

 嘗ての言葉の断片から、この女性以上の不幸を知らないし、心と体の不調もかなりのものだった。多くの方がこの一瞬も自分の不遇や不調を嘆いているだろうが、こんな嬉しい展開もどこかで待っていてくれている可能性はある。非力な僕でなくても良い、一番は病院、それで叶わなければ僕みたいな漢方をかじっている薬局。どちらかで引っかかって欲しい。治らない病気と決めつけないで欲しい。いや、病気と決めつける必要もないのかもしれない。老化が病気ではないように、優しすぎる心も華奢な肉体も病気ではない。飛べない鳥も飛ばない鳥も二つの羽は持っている。