ロト7

 お子さんの体調が改善しているのを時々父親が気づいてくれることがある。お子さんと言っても成人しているから、本来は疎遠でもおかしくないのだが、その本来を簡単に否定してしまうお家がある。僕にとっては、いや当人にとってもモチベーションが上がるだろうから歓迎すべき事なのだが、滅多にあることではない。最近立て続けに2件あったから嬉しく思っている。 久し振りに会うからと言うのもその理由にはなるが、意図的に同じ時間を過ごそうとしている、あるいはすごく気があって自然に一緒におれるからこそ、変化に気がついてくれるみたいだ。父と子の仲がよい姿って見ていてほのぼのとする。 大切にされるほど心が安定するものはないのだろう。えも言われぬ雰囲気が家庭内に醸し出されている。幼い子がいる家庭ではほとんどの家がそうなのだろうが、成長し自立するに従って疎遠になるのが常だから、どこにでもある光景から、滅多にない光景に変わってしまう。  経済が成長を止めたから、子に残してやるものが段々と目減りしている。仮に残せても価値は格段と嘗てよりは低い。こうなれば経済では表せないものを残すしか手がない。経済の指標を借りなければ表現できないようなものは、所詮庶民にはほど遠いし、又経済でしか表せれないものは、そのうちほとんどのものは価値を下げる。一部の芸術作品以外は時と共に朽ちてしまう。  そこで登場が、家族の愛。お母さんはこの分野ではかなり分がいいが、冒頭のお父さんだったら、ほとんどサプライズで賞賛される。目一杯の愛情を注いで、子が心豊かに成長してくれたりしたものなら、ロト6で1等をあてた以上に喜びだ。心豊など死語に近い今の時代、子を大切にしまくってロト7にしたらいい。そうすれば元手をかけずに朽ちない財産を手にすることが出来る。これがいいことは誰にだって出来ると言うことだ。大都市だって田舎だって、金持ちだろうが逆だろうが、父親だろうが母親だろうが、どんな職業だって可能だ。ちょっとだけ尊敬して、ちょっとだけ信頼すればいい。所詮こっちもちょっとしかその手のものは持ってはいないのだから。