教科書

ヤマト薬局様 …お薬がすごくよく効き、先日は、気付いたらお腹の調子のことを全く気にせずに、同級生たちとランチを存分に楽しんでくることができました♪こんな感覚は20年以上ぶりのことで、他人さまにはごく普通のことでしょうけど、自分にとっては、こんなに楽に過ごせるなんてことは、まず有り得ないことだったので、それはそれは嬉しかったです。余談ですが、寝起きに口の中が変な味になっていたのが、なくなったのにも驚いています。とても爽快です。本当にどうもありがとうございます。少しずつの積み重ねで、だんだん自信になってきています♪気分も明るくなってきました。主人にも、体調の変化が目に見えて分かってきている様で、最近では漢方の治療のことも、少しずつですが見方を変えてくれていて、だんだん協力的になってきつつあります。…

 いつものように何気なく下さったメールなのだが、この中に多くの過敏性腸症候群の方々が知りたいことが含まれていたので、ご本人の承諾を得て披露する。 気付いたらと言う言葉が使われているが、慢性的なトラブルで苦しんでいる人の治りようで一番理想的なものなのだ。どうしても想いがそこに集中してしまうから、今日はどうか今日はどうかと意識がそこに集中してしまう。いわゆる交換神経優位になってしまうのだ。ただでさえ交換神経が過敏状態になって発症しているのに、それに輪をかけるようなことをしたら尚更治りにくい。難しいかもしれないが、シェフにお任せも時としては有効なのだ。  寝起きの口の不快感は年齢による唾液の分泌不足なども考えられるが、この方はまだその意味では十分若い。多くの場合、慢性的なストレスの影響が強いと考えていい。だから、過敏性腸症候群の治療に用いている漢方薬の効果が出るのも頷けるのだ。漢方薬は患部を狙って改善するのではなく、常に全体を整える事を重視する。  ガス漏れが改善するから、気分が良くなり、気分が良くなればまたガス漏れも改善する。良いスパイラルに入っていくとその先には完治が見えてくる。何かが少しでも良くなること、僕が2週間しか薬を作らないのは、その何かを見極めたいといつも思っているからなのだ。  ご主人の理解が進めば、あるいは改善をご主人が喜んでくれれば、治療に励みがでる。家族の協力があれば如何に治るスピードが上がるかはしばしば経験していることだ。特に未成年の方の治療で家族の援護や理解は必ず必要だ。中には親に内緒で連絡を取ってくる人もいるが、痛々しい。 得体も知れない敵と戦っている多くの人達に、参考になれば嬉しい。得体の知れないものと戦うには、得体も知れない田舎の薬局の、得体も知れない漢方薬ぐらいでないと太刀打ちできないのかもしれない。嘗て得体の知れないものと同居していた僕自身の負の遺産もまんざら意味がなかったわけではない。教科書通りに生きることができなかった人に、教科書通りの処方なんて歯が立つわけがない。