報告

 嬉しい報告が続いた。偶然だが2人の女性が仕事に就けた。そして1人の女性が、懸案だった研修旅行を乗り越えた。乗り越えたどころか、楽しかったという表現を使った。同じ日に、果たして過敏性腸症候群はどのくらいの期間で治るものでしょうかという質問も頂いた。良い報告も、後者の質問も良くあることなのだ。時に全く効果が出ないと言う人もあるが、その様な人は最近ではかなり珍しい。効果ならかなりの確率で出せると思う。その中の何割かがいわゆる完治まで至るのだが、その期間は本当にまちまちで、言い当てることは出来ない。その人が苦しんだ期間、発症の原因、家庭環境、職業や学業の有無、土地柄、本来的な性格、友人関係など要因を挙げればきりがない。その中のいくつかの条件が整った人が完治する。  もう1人、とても素直な報告も頂いた。 「こんにちは。今日は、すごく嬉しい報告です。前回処方をして頂いた時、調子がいいときだったので、自己診断ではありますが、少し飲む回数を減らしていました。またその頃、心境にも変化があり、症状が劇的に軽減しました。私自身もものすごく驚いています。今は、一喜一憂していると思いますが、これから軽減、増悪を繰り返すかもしれません。ですが、必ず快方に向かうことを信じています。今日は、今の途中経過をお伝えしたく、メールさせて頂きました」  全く具体的な内容がないので、プライバシーは保たれると思って引用させてもらったが、何か彼女のうれしさがひしひしと伝わってくる素朴な文章だ。過敏性腸症候群は若い人には限らないが、若くして発症してしまうとその後の失うものが大きすぎる。まだほとんどのものを手に入れていない世代が、又ほとんどのものに挑戦していない世代が、果てしない自制の中で暮らすのは余りにも残念だ。挑戦する前に諦めてしまうとしたら、一生後悔してしまう。恐らく愁いばかりの日常だった彼女の中に「喜」が顔をのぞけ始めてくれたとしたらこんなに嬉しいことはない。彼女が喜べば彼女の周りの人が楽しくなる。そしてその輪がどんどん広がっていく。良い波紋を終わらせる必要はない。何処までも何処までも、少年の頃の夢のように果てることなく。