新聞

 時々新聞受けに契約している新聞社とは別の新聞を入れてくれることがある。僕はもう30年以上同じ全国紙をとっているから、地方新聞を一緒にとってもらいたいという意図は明白なのだが、いくら新聞を読むことが習慣付いていても、2紙はきつい。1時間以上新聞に釘付けになることになる。あまり余裕のない朝の時間をそればかりに費やすことは出来ない。ただ無料で入れてくれたものとなると話は別で、ちゃっかり今朝はゆっくり2紙を読んだ。地方紙は本当にそこまで報じるのと言うくらいきめ細かいことが載っていて、まるでうわさ話を聞いているような感じにもなる。僕にとってはどうでもいいことばかりなのだが、それが売りなのだろう。 そのちゃっかりの新聞に載っていたのだが、ある医療ジャーナリストの方が「養生で身が細る」と言う格言を紹介していた。読んで字のごとく、懸命に体によいだろうと言うことを実践するのだが、それが裏目に出て健康を害するという意味だ。現代で言うとさしずめ健康食品(サプリメント)がそれに当たると言っていた。毎月5万円もの健康食品を買いあさり、その支払いに追われ食費を切りつめて貧しい内容の食事をとっている人が珍しくないと言うのだ。思い当たる節は随分とある。今はもう無駄だと分かったからそんな人に遭遇してもなにも言わないことにしているが、空しい会話を嘗ては良くした。  そのジャーナリストの友人の医者が、健康食品に詳しいらしいのだが、患者さんにある提言をしているらしい。健康食品とのつき合い方らしい。3つの点をクリアした時にだけ飲んでもいいと言っている。一つ。金額は鍼治療を超えない。この医師も僕と同じ鍼の治療をしてもらうのが好きなのか、はたまたその治療効果を認めているのか、何故か鍼治療の金額を基準にしている。経験のある方も多いだろうが、鍼は治療してもらえば必ずと言っていいほど気持ちのよい状態になる。疾患によって勿論治る治らないはあるが、心地よさはかなりの確率でもたらされる。言外に鍼治療でもした方が余程いいと言っているように聞こえるがやはりそれは医師の品性で留めているのだろう。二つ目。飲むのは3種類以内。当然防腐剤や着色料などのことを考えるとそうだろう。三つ目。効果が感じられなければ二週間で止める。健康食品で効果というのは正しくない表現だが、ダラダラと消費しないと言うことだ。  僕はスポーツで身が細った部類だが、何でも過ぎたるは及ばざるが如しだ。元々、過ぎもせず、及びもしないのに、何故かバレーボールだけは続いてしまった。二分に一回、大笑いできた至福の時間のお釣りが、痛みに顔をゆがめるとしたら、笑うに笑えぬ落ちだ。泣くに泣けぬ痛みに、笑うに笑えないとは・・・いったいどうすればいいのだ。