万病の元

 朝、目が冷めるとすぐさま自覚される倦怠感。30代の頃も感じていた倦怠感だ。少年の頃昼寝から覚めたときに感じるあのけだるさとよく似ている。その次に痛いところの確認。頭の先から足の先まで、毎日どこかが痛む。目が覚めたら元気になっていたいとはもう思えなくなった。少しでも楽にと段々と謙虚になった。  1日中立っているようなものだから、足がだるくて仕方がない。靴下の跡もつき始めた。お代わりをすると必ず夜中に背中が痛くなり、夕食にビールを飲むと、服をたくり上げてお腹を出して寝ている。定量以上をさばく能力はなく、その定量も段々と少なくなる。走ってみたいと思うが、おそらく走れば骨格系が悲鳴を上げる。自力では帰って来れないような気がする。 どの段階でか誰もが通る道なのだろうが、なかなかしんどい道だ。若い時には想像すら出来なかったことが日常になっている。若い人には今を大切にとつくづく助言したくなる。どうせ耳には入らないだろうが。嘗ての僕もそうであったように、ほとんどの若者がそうであったように。 酒でもない、煙草でもない、ストレスでもない、公害でもない。老化こそ万病の元なのだ。「歳ですから・・・」には医師も患者も勝てないのだ。