香水

遠くで雷の音を聞きながら 君は帰っていった 君がこの町を離れた頃 景色が急に黄に変色し 空に虹がかかった 何の架け橋になろうとしたのか 雀が3羽 君の後を追って飛んでいった

不思議な光景だった 家々から人が飛び出て 同じ方向の空を見上げていた 何かを期待して 何かを恐れて 手の届かないはるか上空を 思案していた

虹をかけ 雷を従えて明日に帰る  渇いた心に微笑みを 傷ついた心に慰めを 孤高の鳥が 翼を休めに舞い降りる 君の香りは瀬戸の水面を渡る風の音