うそ

うそに、うそを重ねている人は哀れだ 人の目をまともに見れないから 視線をいつもずらしている 正しいことは 身体から出ていき 抜け殻だけが彷徨する 正しい人も 憐れみの言葉を残して 遠ざかる 刹那の欲望の為に 全てを捨てる 人間が一番持っておきたいものまで捨ててしまう

本当は捨てられるのだ 家族から 友人から 世間から 何食わぬ顔が通用しないのは 回りは全部知っている おどおどした態度は 見透かされている うそはつき始めると止まらない 止められない うそはうそでしか 紡げない  太陽の当るところで その顔は見せれない

許されているのではない 蔑まれ 哀れんで ただ存在を許されているだけなのだ かけがえのないものをみることが出来ないから 暗闇の中で 日陰で生きていく 本当に大切なものが見えないから 本当に大切なものを失う うそにうそで重ねる人は 哀れだ