台風一過で久しぶりに気持ちの良い朝だったが、昼頃から又梅雨に逆戻りした。夕方、良く野菜を下さるかたの家にお中元を届に行った。丁度僕が住んでいる町とオリーブ園と言う山を挟んで反対側にある部落だ.。滅多に訪れる機会はないのだが、それこそ同じ町内なのに数年ぶりに訪ねた。1週間くらい雨が続いていたので緑がとても濃くて、山は勿論、道路を挟んで広がる畑も見えないくらい道端の草も生い茂っていた。逆を言えば手入れが出来ていないのではないかとも思った。若い人が農業を継がなくなり、担い手はほとんど70歳以上だと思う。その方々に道端の草を刈るまでの余力はないだろう。道路以外全て緑で埋め尽くされているように見える光景も、あながち喜んでばかりいられないような気もした。しかし、見渡す限り緑は、テレビに映し出されるジャングルを一瞬想像したし、救いでもあった。まだまだこんな身近なところに、緑一色の景色があるなんてと感動した。  訪ねていった農家で、ゴーヤのジュースをいただいた。これは作り立てでないと美味しくないらしくて、目の前で作ってくれた。いろいろなものを加えてくれているみたいで、ゴーヤの苦さが少し甘味のなかに残っているといった感じで、とても美味しかった。この方は僕の健康をとても気遣ってくれる方で、魚を料理してことづけてくれたり、野菜や自分でつけたキムチなどもよく下さる。僕が幼い頃からお世話になっている方で、その親切がありがたい。なにも報いて上げれることは出来ないが、たまに会って、つまらないことを話して、笑ったり出来れば、それでいいか。僕が健康で働いている姿をいつまでも見せてあげればいいのかもしれない。   決して言葉は上手ではないが、その人は、その人が住む緑深い部落のように自然な心の持ち主で、いつも僕を見守ってくれている。子供のときは感謝することさえ出来なかったが、この年令になるとありがたさが身にしみる。いただいている方が多すぎる。