この心 どこかに捨ててしまいたい 遠くオホーツクの海でもいいし サンバで踊り明かす ブラジルの貧民屈の 銃口の中でもいい 軽くなって 清くなって 白熊と戯れて  流氷を赤く染めてみたい

この心 どこかに捨ててしまいたい 大切にしまっておくほどの重量もない 耳元でうるさい蚊の羽音にでも吹き飛ばされそうな とてつもなく軽くて 重いものなのだ まるで肥満した宇宙のようなものなのだ

この心 どこかに捨ててしまいたい ショーケースに飾って 値札をつけて 氾濫した河川をかけぬける 怒りの流木のように 辱められた掌は 虚空をわしづかみにし マンホールの蓋を全開する