慙愧

 どこかの国のえらい人が自殺した。生きている方がよほど辛かったのだろう.。あまりに調子よく行きすぎて天国を味わっていたから、檻の中など恐ろしくて入れなかったのだろう。その知らせを聞いて、もっとえらい人がインタビューに答えて「慙愧にたえない」と言っていた.。さすがにえらい人はとっさに用意されていたような言葉が出るものだと感心していたが、なにか違和感を感じた。辞書で確かめてみると慙愧(ざんき)は恥じることとかいてあった。そうか、えらい人の自殺を恥じているのか。同情しているのかと思ったら「格好悪いから恥ずかしい」と言っているのだ。いやいや待てよ、もしそんな事を本心から言ったなら、そのもっとえらい人は、もう終わるだろうから、おそらく単純な言葉のミスだったのだろう。だけど、その程度の人に将来を任せなければならないその国の人は気の毒だ。未来を捨ててはもったいなさ過ぎる。子供や孫に残すものは何かをしっかりと考えなければ。